2011年2月23日水曜日

Tiger mom, Helicopter mom, and Hippie mom,,,,

 最近、メディアでよく目にするのが、“Tiger Mom”という言葉。子供に嫌われようが反抗されようが、超スパルタ教育で厳しく子育てをするタイプの母親を指す。一方、子供の危機を未然に防ぐべく、いつでもレスキューにかけつける準備万端で子供を守るタイプがHelicopter Mom。さらに、子供の意思を尊重、というか本人任せで自由に育てるHippie Momという言葉もある。

 この“Tiger Mom”という言葉は、今年早々に出版された“Battle Hymn of the Tiger Mother”という本から引用され、最近話題になっている。著者のChuaさんは、アメリカに移民した中国人両親のもとで厳しく育てられ、自身も中国流のスパルタ教育で子供たちを育てている。その厳しさはおそらく多くの人にとって想像を絶するもので、この本をきっかけに、メディアでは今、母親の在り方について議論が飛び交っている。もちろん子供を「がらくず」呼ばわりするChuaさんのスパルタ教育に対する批判は多い。でもChuaさん自身は「批判大歓迎」と強固な態度で、「心の底では、アジア人の母親はみな、西洋式の子育ての甘さにショックを受けているはず」と話す。更にはウォールストリート・ジャーナル紙に「中国人の母親が優れてい理由」というエッセイまで掲載した。

 Chuaさんの子育てのルールをいくつか紹介すると、
○子供たちが友達と自由に遊ぶ時間は無し。
○一日何時間(2-3時間ではない!)にもわたるバイオリンかピアノのレッスン。
○ピアノかバイオリン以外の楽器の練習は無し(!)
○さらに数学と中国語の練習。
○友達の家へのお泊りは禁止。
○学校でA以外の成績を取るのは禁止(!)
 Chuaさんによると、アジア人は、子供に偉大な信念を抱き、子育てに自分の全てを懸ける。「子供は強く、叩かれて育つべき」と信じ、スパルタ教育を通し、そうして強く育てられた子供は世界のトップに君臨するのだという。人生の全てを犠牲にして親は子供を育てるのだから、子供は成功して、親にその「借り」を返すのが恩義だと信じている。一方、西洋人は、「子供ははかない。傷つけないように暖かく見守って育てるべき」と限りない愛情と優しさで育てるのだという。アメリカ人であるChuaさんご主人は、「この世に生まれてきたのも、この親のもとに生まれてきたのも子供の選択ではなく、親が望んだもの。だから子供には親への義理などない」と、Chuaさんとは正反対の意見。そんな西洋式の「生ぬるい」子育てはChuaさんにとってあり得ない。
 ここでChuaさんは「アジア人」と大きく括っているけれど、自身もWSJ紙への寄稿で「中国人の母親が優れてい理由」と特定しているように、これはあくまで中国式、ひいては中国人の国民性を表しているように思える。確かに私の周りを見ても、中国人の母親は子供の教育にとても熱心。それが子供にうまく働いているかは別として、特に学力面で優れていることをとかく気にしている。

 私は比較的「古い考え」の日本人の親のもとに育ち、確かに厳しく育ったけれど、「世界のトップに君臨」とまで極端な教育ではなかった。私自身、今、母親として、もちろん子供には将来成功してほしいとか、幸せになってほしいとか、正直なところ優れたキャリアを持って欲しいとか、いろいろ勝手な願いを抱いているけれど、Chuaさんのような教育はできない。そんな私はChuaさん流に言えば、西洋的なHelicopter Momなのかもしれない。

 Chuaさんのように強く厳しく子供を育てて、子供がそれで幸せだと思ってくれるのなら、その子育ては「成功」だと言えるのだろうけれど、私にとっては、もう少しゆとりのある子育てをするのが理想的。やみくもに自分の夢を押し付けて、逆に子供を押しつぶしてしまうのだけは避けたい。

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